いつも冷や汗をかく質問
某日、大阪市内某所で昼食を食べた店は、近隣・市内でもまぁまぁ有名で食べログやらブロガーが高評価を付けている、ある名物揚げ物を食べるために、お昼のピークタイムでは行列が出来る。
狭い店内では相席するのが当然で、案内されたテーブルには4人席で2人の女性が向き合って定食を食べていた。
「こういう揚げ方、東京には無いよね」
その言葉で東京からの観光客っぽいと推測する。なるほど、観光客もこの店に来るような状況になってきたのか。
「旅行ですか?」と暇つぶしに声をかけ、お互いに定食を頬張りながら雑談。
あるミュージシャンのライブを観に来たことが主目的なこと、ライブ以外は大阪を食べ歩きしたいと考えていること、と話が進み、「明日は今井か北極星に行こうと思ってるんですけど、今日は、、、」
この一瞬の言葉の隙間、何度も味わった寒気がする。
来る、絶対にあの言葉が。
「今日は、お好み焼きかたこ焼きを食べたくて」
さぁ来るぞ、この後に続くいつもの言葉が。
「どこかオススメのお好み焼き・たこ焼き屋さんありませんか?」
何度もこの言葉で冷や汗をかいてきた。
「あっ、えーっと、、そうですね、、、」と言葉が濁る。
知らないんだ、絶対にオススメして間違いの無いお好み焼き・たこ焼き屋なんて。
「毎週のようにお好み焼き食ってねぇよ!」
「自宅に必ずたこ焼き器はねぇよ!」
と吠えながら自己防衛したくなる。
「妥当に美味くて快適なのは、やっぱり風月」と答えたいけど、そんな答えは望まれていない。だってお台場にすら風月はあるんだから。
ミナミの「福●郎」やキタの「き●」で、全国やアジアからの観光客に混じって並んで食べている関西人なんていないよ(多分)
たこ焼き屋なんて、お好み焼き屋より行く頻度が少ないし、選択肢が思い浮かばない。
即答できなくて、いくつかの質問をして条件に合いそうな手玉が無いか脳内サーチをする。
・時間帯は昼なのか夕方なのか夜なのか
・宿泊・行動場所はキタかミナミかそれ以外か
・人数は何人か
・ソース系か醤油系か
・雰囲気と快適さのどちらを重視するか
「ミナミ宿泊で、夜の遅い時間に」という条件が聞けたから、今回は『鉄板野郎』を推したけど、それも最適解だったかどうか、今でも悩ましく思う。
『好きだよ。好きだけど。。。』とトロピカ~ル恋してるなフレーズを思い浮かべながら、こういう場面でだけ勝手に自己肥大させてしまう「コナモン大好き人種の一員」という見えない重圧にずっと苦しめられている。